【エア柴又60kmその3】そして職質へ
続きです。
【エア柴又60kmその2】フルの道中で既に禿げる - 2016年4月から走り始めたイクメンリーマンの記録
エア柴又ゼッケンを背中→前面に移し、
栄養も補給したところでそろそろとギアを上げてみた。
上げてみた
上げ
上がらない
(ほんと~~~~~~にゆっくり走る努力はしてます)
生まれたての子鹿のように膝が震える。
特にランチ後の44kmは筋肉全てが痛かった。着地すると痛い。どうにもならないのですり足のように動く。後ろを歩いている人に道を譲る。
これどうなっちゃうんだ?
とりあえずリハビリしてる人の様に前に前に進む。
2分程止まってじっくりストレッチしたら多少マシになってきた。
緑道のような道で人通りもあまりない中、
怪しいゼッケンをつけたオッサンの行進は続きます。
道中プチ観光を楽しむ。
キツくなったら1分だけ歩きを交えつつ多摩川沿いの道をよたよたと進みます。
決して復活した気はしないが、この位の辛さが当たり前になってきた。
最初の鈍足は更に走ろうとすることを脳が止めていたのかも知れない。
信号待ちなどがちょいちょい入ってるので平均ペースはキロ8前後。
どこかを痛めなければこのペースで最後までいけそうな気がした。
まさに毒をもって毒を制する状態。やがて多摩川水道橋を渡ります。
こういう橋を走って渡るのって凄い開放感。癖になりそうだ。
リハビリ期間や時間があるときは、ここに紹介されているコース巡りも悪くないなと思った。
信号待ちでエア柴又のゼッケンを母親と手を繋いだ子供に興味深そうに覗かれる。
子「ねーねーこれなにー」
ツ「これねー、ゼッケンって言
母「シッ 行くわよ」
orz
決して怪しい者じゃないんですが・・・
心のスタミナが大きく削れる。
街中エア柴又ゼッケンは人とすれ違うときはチラっと一瞥され、
その後なんとなーくスルー(迂回)されましたw
1時間に1回くらいすれ違うランナーらしき人には
じっと見られるけど???な表情で通り過ぎて行かれました。
49km地点
常に空腹感が消えず、一歩一歩が重く痛い。走るってこんなに大変なことだったのか。脚が浮腫んでいるのか、指先が微妙に靴に当たる。
疲れがない時はキロ6のジョグなんて歌いながらでもできそうなのに。それまではお尻やハムに痛みがあったのですが、ここに来て太腿前面の痛みを強く感じるようになった。無意識のうちに体が使える筋肉を使うようになったのか、フォームの乱れによるものか。もはや歩いても走っても痛い。休んでも大して変わらない。
やがて南武線の登戸駅横に差し掛かります。おにぎりとハムカツでは足りないようで、2度目のコンビニピットイン。
書いていませんが、ここまでで飲んだであろうおおよその水分量
- OS-1 1本
- アクエリアス 1本
- 給水所の水 30杯以上
- ゴール後のスポーツドリンク 10杯以上
- ノンアルビール 2本
- その他スポーツドリンク系ペットボトル 3本
トイレには一回立ち寄りましたがあまり出ません。
ほとんど汗で蒸発していったのでしょう。
スポドリ系も飲み続けていると飽きるんですよ。酒飲みとしては麦味ジュースも飲みたくなるわけです。
リプレイのようにノンアル一口目でリバースしそうになる。2回目は本当に出てしまうかと思った。胃腸は大分弱ってきてるのか。食欲だけは旺盛。体がついてこない感じ。
麦ジュースで米を流し込み再び走る機械に戻る。
村上春樹さんがウルトラ100kmを走られたときに、自分は走る機械だと言い聞かせたと言っていたがよくわかる表現だ。(たかが60kmの私がこの言葉を借りるのは恐縮ですが)痛い辛い、違うこれが普通なんだよ。そう思わないとやってられない。
魔の50km
50kmに差し掛かるところ、横断歩道を渡っていたらその信号の時間が短い。まずい轢かれる、しかも麻生警察署の前だし。精一杯の急ぎ足で横断歩道を渡った。
ピキーン
ふぎゃーふくらはぎ攣った!!!
かろうじて横断歩道を渡りきった歩道で呻く。
一人必死に伸ばす。
近寄る一人の男性。
これは麻生警察署のポリスマン
ポ「どうかなさいましたか?」
ツ「ちょっとふくらはぎ攣っちゃって」
ポ「ここは車道に近いからこちらへ」
ポリスマンに肩を借りて麻生警察署敷地内へ
ポ「(指さして)ところでそのゼッケンなんです?」
この状況でここ突っ込むか・・・制限時間が・・・違うか・・・
ツ「60km走ってる最中なんですが、その参加者用のゼッケンです」
ポ「聞いてないな・・・何て名前?」
ツ「柴又で開催されてる大会に合わせて有志で行っている非公式の大会です。エア柴又と呼んでいます」
~~~~~
※追記
この時ポリスマンは私の放つ怪しいキーワードを時折メモを取っていた。
その中で『エア柴又』の文字を楷書で丁寧に書かれていた。
私は体の芯からこみ上げる笑いをこらえるため腹筋を総動員した。残りの体幹筋を大きく消費する結果となった。こらえる際に小刻みに震えていたので怪しい指数はますます上がる一方だった。
~~~~~
嫁さん、息子、娘、ごめん。お父さん完全に怪しい人だ。帰って来れないかも知れない。
ポ「証拠はあるんですか?」
ふくらはぎの攣りは収まったが顔の筋肉が攣りそうになりながら、スマホをいじり自分のブログおよびエア柴又の概要を説明した。
ポ「で、あなたはウェブ上の一企画のためにそこまでしてるんですか?」
ツ「はい」
なんだこの圧迫感は。助けて。なんか辛い。脚痛い。座っていいですか?ガーミン電池減っちゃう。
その後、念の為身分証(保険証)の提示も求められ、善良な小市民であることを証明した。
ポ「まぁわかりました。どこまで帰るんですか。お金はあるんですか」
ツ「二子玉川の先です。電車に乗るくらいは持ち合わせてます」
ポ「わかりました。お気を付けて」
こうして最大の難所を切り抜けた。
都合15分くらいロスした。ウルトラマラソン本当に辛い。
このあとストレスにより次のコンビニでまたノンアルビール飲んだ。
疲れすぎて写真忘れました。
エア柴又完成まで残り10km
次で最後です。